はてなコミュニティ


 「キーワード編集の内容保存」「規約に違反するキーワードの強制削除」「はてな評議会」と、立て続けにアナウンスが出ました。
 だんだんと、気合が入ってきましたねー。


 一連の変更や新ルールは、はてなコミュニティの在り方について、一定の見解が出たことを示すものだと思います。
 sasadaとしましては、はてなスタッフ様が動いてくださったことを歓迎しています。


 偶然でしょうが、今回の発表は sasadaが普段から考えていた「はてなコミュニティのコンセンサスのとり方」についての回答にもなっているようです。
 人それぞれに着目点も有るでしょうが、今回は この観点から考えてみようと思います。




 今更ですが、はてなは 1対1のつながりを主体にしたシステムです。
 キーワード・トラックバック・おとなりアンテナ・MAP等による“p2pの集合”により、共有関係を形成してきました。
 このように“個”の集まりを重視していた はてな が、今回初めて“集団”の意思を取り込む決定をしました。
 これは重要です。



 また、はてなコミュニティにおける意思決定の役割を明確にしたことも大きいです。


 キーワード削除の件において、利用規約に関するものは はてなスタッフが処理することを、今までより明確にしました。
 これに対して、利用規約と関わりの薄い物事については、利用者の総意で解決することが示され、そのための道具が提供されました。(市民制度と評議会のことです)



 キーワードの位置づけも整理されつつあります。
 辞書的な役割を薄める一方で、公有の情報として複数の人が更新しやすい、文字通りの【キー】ワードとしての役割が大きくなっています。
 抽象的にいうと、まとめた情報を載せる場所から、情報をまとめる為の場所に軸足を移しつつ有ります。


 もっとも、今後とも議論をするための場所ではないようです。
 議論は、今までどおりダイアリー上で行う方針のようです。
 おそらく、情報発信の積み重ねとの見解なのでしょう。
 その代わり、議論を補足しやすいように「はてな評議会」キーワードを利用できるようになります。




 ここまでの考えを まとめます。

  • はてなコミュニティのコンセンサスについては、ユーザー自治を改めて表明されました。
  • そのための道具として、専用のキーワードとルールが提供されました。
    とくに議決ルールは注目に値する試みです。
    はてなにおいて、1対1関係からの脱却が唱えられた最初(?)の例になりそうです。
  • 利用規約に関することについては、はてなスタッフ様が *前向きに* 対応されることを表明されました。
    自治の範囲が明確になりつつあります。


 はてなにおいて、利用規約憲法であり、その改正・適用は はてなスタッフ様の権限です。
 それ以外のルール作りや運用は、あらためて はてな市民に託されました。




 今回の件は、「不毛な争いや終わりの無い論争を終わらせる道具がほしい」という要望への答えだと思います。
 その一方で「運営側の干渉は最低限に抑えたい」「単なる身勝手ではない、本当の意味での自由こそが はてなを発展させる原動力であることに変わりは無い」とのメッセージがこめられていると、勝手に解釈しています。


 制約と自由。
 いっぱいいっぱいのところで、はてならしい決断がなされました。
 ルールも道具も荒削りですが、今後に期待できるアナウンスだと思います。