むかし話
昔々の話ですが、半年間ほど はてなの回答者をしていたことがあります。
感謝されることもありましたが、チョンボして失望されることも多かったです。
私の場合、チョンボしてポイントを頂けなかったことよりも、チョンボした事実に凹んだものです。
なによりも、「ポイント目当てでいい加減な回答をするな」と決め付けられることが大変に堪えました。偽善であれなんであれ、善意でやっていることを誤解から蔑まれるのはつらいものです。
質問者の皆さんはポイントを購入して使用されるわけで、「お客様」であると言ってよいのでしょう。
では、回答者はお店の従業員か営業マンかというと、少なくとも、私にはそんな意識は有りませんでした。
人力検索は、質問者にとっては「1コインでページを探してもらえる」「知りたいホームページのアドレスを、あなたに代わってホームページ探しの達人が調べてくれるサイト」です。
それに対して、回答者は、「ホームページ探しの達人」であることを要求されます。もちろん、URIを探せるだけではダメです。
熟練した検索技術と専門分野の理解力で適切な回答を見つけるのはもちろんのこと、回答して良いことと悪いことを見極めて、答えてはいけない質問をスキップしたりスタッフに連絡したりしながら、みずからの回答コメントの法的リスクを回避するための判断力も必要です。
それに加えて、回答を開いてもらう為のスピード勝負に打ち勝てる、すばやい決断力も必要とします。
その上、それなりに反応速度のよいネット環境や自由時間も必要です。
マトモな回答をするのは大変で、そうそう報われることはありません。
これで喰っていけるわけでも、ましてや定期収入があるわけでもないのに、ポイント獲得が励みになるはずかありません。
あれは、本来はお遊び、茶番です。
私に言わせれば揉め事の種にしかならないランキングに自分のユーザー名が載り、望みもしない役割を周りに期待させるだけの足かせに過ぎませんでした。
言っちゃなんですが、こんな悪条件で、人力検索において 今でも あるレベル以上の回答者が供給され続けていること自体が奇跡に近いと感心しています。(^^;
さて、私の場合は、人に喜ばれるのがうれしくて回答者をやっていたわけですが、「自己満足の為に役に立たない回答すんな!!」といわれつづけたら、正論であってもヘラヘラ笑っていられません。
そこまでいかなくても、「私が満足できる回答ができて当たり前。質問文やコメントの意を汲んでよ*1。それがあんた達の役目でしょ」的対応が徐々に増えてきて、ある意味、常識になってしまったのは、大変残念でした。
実際に私が回答から遠ざかった理由は、たくさんあります。
「ダミーURLの禁止(オリジナリティーの否定)」「回答者責任の明確化」「顧客(質問者)満足度優先主義」等々。
でも、私がはてなの回答から遠ざかった最大の理由は、質問者の方に喜んでいただくことに意味を見つけられなくなったからでした。
率直に言うと、バカバカしくなったのです。
ふと、そんな昔の話を思い出してしまいました。
追記: (20:23くらい)
id:finalventさんからトラックバックをいただきました。
どうも、御無沙汰してます。m(_ _)m
たしかに、質問者の方々とコミュニケーションをとるのは難しかったです。
自分の発想と言葉でコメントを書くと、ほとんど理解してもらえないことが多くて(^^;
おかげで、いつもURLの解説が長くて、「sasadaのコメントは(良くも悪くも)丁寧すぎる*2」と言われていた気はします。f(^^;
finalventさんの回答は、いつもレベルが高いですよね。
質問者の方がついてこれないと、なかなか理解してもらえないのではないかとドキドキします(笑)
たぶん私も、これからも回答するとは思いますー。
・・・コッソリと、ごくたまに(笑)