視覚的効果と物理タグ

 ひさしぶりにquestion:1107400823の「いわし」やトラックバックを拝見して。。。

 私が思うに、「物理タグによる(ダイレクトな) 視覚的効果を使いたい (使うのはその人の権利であり責任じゃん)」論と「物理タグは (これこれこんな理由で)使うべきでない」論の雌雄を決する日が来ることはないでしょう。
 私は、特にHTML4.01 Transitional においては、そういうゴタゴタに関して“清濁併せ呑んだ”仕様だと考えてますので、「どっちが正しい」論は解決不能だと思ってます。


 自分は「物理タグは (これこれこんな理由で)使うべきでない」論者ですが、だからといって他の考え方の人を説得可能かどうかは別物だろうなぁと思っているわけです。


 新編集画面の話で物理タグ(による視覚的効果)派と折り合いをつけるには、論理タグによる適切なマークアップで、一般の期待する視覚的効果を得る方法を用意するしかないだろうと思います。


 よく考えると、一番面白くないのは、今の新編集画面かもしれません。
 「視覚的効果が欲しい」派は新編集画面の支援ボタンが思ったとおりの効果に繋がらずに不満、「論理タグ推奨」派は(手入力される)物理タグが後を絶たずに不満、はてな開発陣はせっかく作った支援ボタンが活用されずに不満*1、では三方一両損です(^^;
 うん、中途半端は良く有りません。


 非推奨タグを避けて適切なマークアップを推奨しつつ、視覚的効果を得たいユーザーの利便性を向上させることで、新編集画面を成功に導きたいものです。(新編集画面が正式採用される仮定の下で、ですが;;; )

落としどころ案

  1. 省略記法を用意して、スタイルシートによる視覚的効果を実装する。
  2. 当面は「span要素へのスタイルシート指定(出来ればクラス指定)への展開」による実装を行うが、(主要テーマ作者の協力を得て) 最終的には 「em要素へのクラス指定への展開」に切り替える。
  3. 視覚的効果の限界と不都合については、新編集画面の説明と合わせてダイアリーユーザーに周知する。

落としどころ案に至るまでの考察

 太字や下線だけでなく、文字サイズの変更や文字色の変更もインライン要素の強調には違いないと思います。
 ですから、本来これらのマークアップはem要素(なりstrong要素)へのスタイル指定により実現するべきだと思います。もちろん、より良い抽象化のためにクラス属性によるスタイル指定のほうが望ましいと言えます。


 マークアップに視覚的効果を持ち込みたくないという考え方からは、クラスの概念に「bold」「underline」「font_size_big」「font_color_green」等は使用したくありません。
 しかし、いま考えているのは「視覚的効果を得る為の強調」なのですから、これらの概念を避けて通ることは出来ないと考えます。


 したがって、基本的な落としどころは、em.boldやem.underline、em.font_size_large*2、em.font_color_green*3等のサポートだと思います。


 もちろん、この方法には多くの欠点があります。

  1. 効果の掛け合わせを可能にする為に、em自体は視覚的効果を何も持たないように (かんたん設定用テーマを中心とする)主要なテーマを修正してもらう必要があります。
  2. インライン要素に視覚的効果を設定しても、その中にキーワード等のほかの要素が含まれていれば(あるいは後日含まれてしまえば) その効果は打ち消されたり、見栄えが悪くなります。(視覚的効果の限界)
    視覚的効果を用いるようなユーザーは、これを気にする人が多いでしょう。(新たなキーワード論争のきっかけになります)
  3. 視覚的効果を使う以上避けられないことですが、テーマを変更したら見栄えが悪くなることが有り得ます。(行の高さ固定とか、文字色と背景色の関係とか) つまり、支援ボタンの推奨が、ただちに、テーマ選定を限定する結果になります。(視覚的効果の不都合)
  4. 全体に物理タグに比べて面倒です。支援ボタンを使わない向きにまで浸透させるのは困難でしょう。


等です。
 1番については、span要素を使用すればテーマ修正を必要としません。しかし、それを適切なマークアップと呼んでいいのかどうか、疑問です。自分が使う分には平気でspan要素を利用しますが、それを“推奨”する気にはなれなかったり・・・。
 4番については、省略記法を用意すればなんとかなります。[b] [/b]とか。
 この2つを組み合わせて、「省略記法を用意する」「当初はspan要素へのスタイルシート指定として展開するように実装する」「emの視覚的効果を無効化するように、テーマの作者に協力を“お願い”し、メドが立ったら 省略記法の展開方法を em要素へのクラス指定に変更する」というシナリオが適切だと思ってます。


 2番(視覚的効果の限界)と3番(同、不都合)については、ユーザーに周知するしかないと思います。
 これらは、物理要素か論理要素かにかかわらず、視覚的効果をダイアリーに持ち込むと決めた時点で避けられない問題です。ダイアリーの長所の裏返しですから、説明して理解していただくしかないと考えます。(あるいは、視覚的効果自体を諦めるか)

結語

 私自身は、実際にニーズがあり、他のブログサービスが対応している以上、視覚的効果の導入は (いずれ)避けられないだろうと考えています。
 どうせのことなら、(多少ややこしくても)「はてな」らしい適切なマークアップで、これを実現していただきたいと切望するものです。

*1:もしくは、想定していたニーズの掘り起こしに失敗した不満とかかも。

*2:フォントの大きさについては、「large」「larger」「medium」「smaller」「small」の5段階くらいを用意するのがベターだと思います。ここの段階にあまり差を付けすぎなければ、侍魂’ズの大発生は避けられるものと考えます(^^;

*3:色の種類については、RGBの組み合わせで作成可能な8色「black」「red」「green」「blue」「yellow」「sky」「cyan」「white」でスタートすれば良いかと思います。