はてブに関する文責の考え方 【追記特盛】

sasada註:
 2007-5-8の早朝に、幾つか追記してます。
 小見出し「ユーザーの責任・(株)はてな様の免責」にひとつ、末尾の「追記」小見出しが二つです。
 このセクションの趣旨に大きく関わる部分です。

 前のセクションを受けて、sasadaがささやかに考えた*1はてブに関する文責の考え方っす。
 やっぱ、言いっ放しは良くないかもだし。


 私はもう、声の大きいユーザーでも「御大」でもないので、肩の凝ることを好んでやる必要は無いのですが、まぁ One of them 解釈と言うことで。


 では、簡単なところから考えて行こうと思います。

はてブ登録時のタグとコメントについて

 あるユーザーが (公開されている) URIをブクマするときに付けたタグとコメントについては、当然そのユーザーに文責が有ると考えます。
 これは、ブログでURIを引用して記事にするのと類似の行為だと思うからです。


 もちろん、100文字以内と言うコメントの制限から「創造性のある著作物」ばかりでなく、「元記事からの引用」「“あとで読む”のようなテンプレ」等も多いでしょう。ただ、文責は自分の著作物にのみ生じるわけではなく、言論全てに生じると考えられますので、この点は(ここでは)考慮していません。

エントリー画面やユーザー画面から編集されたタグやコメントについて

 上記と同じ考え方で、編集したユーザーに文責が有ると考えます。

各ユーザーページのタグ・クラウド

 これは基本的に自動生成されるものであり、元データの作成者が当該ユーザーであったとしても、限定的にしか操作できません。
 何らかのクレームが付き、対処を迫られたとき、「あるエントリーのタグを修正・削除する」「自分のページの任意のタグを修正・削除する」「タグ・クラウドを非表示にする」と言った対策は採れますが、「どのタグを目立つように表示するか」等はユーザー自らがCSSデザインを工夫する必要が有り、一般的なユーザーにここまで求めることは出来ないと考えます。


 ここでは、タグ・クラウドについては、ユーザーから見れば自動生成物であり、文責自体は無いものと考えます。(上記の通り、タグそのものには有ります)

エントリー画面の修正について

 『http://b.hatena.ne.jp/help/entrywiki』によると、

  • エントリーページははてなブックマークユーザー全員で共有されます。
  • エントリーページを編集するには、エントリーのタイトル横の「編集」リンクをクリックしてください。
  • 未編集のエントリーページの編集画面では、引用箇所がblockquote タグで囲まれて表示されます。
  • すでに書き込まれているテキストを、テキストエリアから削除すると、自動で収集された引用箇所が復帰します。
  • 編集履歴はユーザー名も含めすべて残り、掲載されます。


(註: 上記リストはsasadaによる一部抜粋です)

http://b.hatena.ne.jp/help/entrywiki

となっています。
 当初のエントリー画面は引用の要件を満たしていますので、原則的にはブックマークすることによる文責は発生しないものと考えます。
 また、『編集履歴はユーザー名も含めすべて残り、掲載されます』とのことで、実際に例として『はてなブックマーク - socioarc | 非コミュ指数テスト』の編集画面を見てみると、ダイアリーキーワード同様、修正日時・ユーザー・修正箇所が分かるようになっています。
 引用画面を復元する機能も含めて、編集内容の特定箇所の文責が誰にあるか、分かるようになっています。


 つまり、

  • 当初のエントリー画面は引用であり、原則的には文責は発生しない。(文責は引用元にあり)
  • 修正後のエントリー画面は、編集履歴により、任意箇所の文責を持つユーザーを特定できる。

ということです。

エントリーページのタグ・クラウド

 これは、自動生成物であり、ユーザーの手で制御することは不可能ですので、ユーザーに文責があるとは解釈できません。万が一トラブルになった場合は、原則として、(株)はてな様の責任範疇かと存じます。


 なお、自動生成物である以上、個々のタグ・クラウド自体に著作権は発生しないと考えます。(これを作るプログラムは、はてな様の知的財産です)

エントリーページのタグリストやコメントリスト

 個々のタグやコメントはともかく、リスト全体の責任を取れる人は存在しないでしょう。これも自動生成物ですから。文責は、原則として、(株)はてな様の範疇かと存じます。

エントリーページ全体

 上記の様々なコンテンツで構成されているので、一意に責任者を決めることが出来ません。あえて言うなら、(株)はてな様と参加したユーザーの共同責任かと存じます。
 著作物としても、共同著作物の扱いになるのではないでしょうか。

タグで絞り込まれたエントリーリスト

 これも自動生成物です。文責は、原則として、(株)はてな様の範疇かと存じます。

 繰り返しますが、これも自動生成物では有ります。しかし、著作権については少しだけ事情が変わります。
 この機能では、ユーザーがオンライン上でタグ(やキーワード)を恣意的に指定することにより、意味のある検索結果が表示されます。したがって、原則的にはデータベースの著作物になります。(参考 → 『http://www.cric.or.jp/qa/sodan/sodan3_qa.html』)
 個々のエントリーの著作権とは別に、コレ自体が著作物の扱いになりますので、万が一他社サービス等で無断借用される場合、事実上の著作権者である(株)はてな様は自らの法益を守る為の処置を講じることが出来るのでは無いかと愚考します。(RSS発信をキャッチされている分は黙認するべきでしょうけど)

ユーザーの責任・(株)はてな様の免責

 上記を踏まえ、『はてな利用規約 第5条:ユーザーの責任』は、文言を大きく変える必要こそ有りませんが、第四項の『ユーザーが開示した情報が原因となって迷惑を受けたとする者が現れた場合には、当該ユーザーは自身の責任と費用において解決しなければならず、当社は一切の責任を負いません』は、はてブの場合は有効とは言えません。個々のユーザーが開示した情報が集約された結果(人気エントリーとか)が誰かの迷惑になった場合、情報集約に付加価値を求めることを目的とした、このようなサービスをリリースした以上、『当社は一切の責任を負いません』とはいかないと思います。
 「はてな」というサービス自体が「Web2.0」と称して『情報集約に付加価値を求めることを目的としたサービス構築』をしている以上、出来れば、当該箇所をもう少し誠意の有る表現に変えるべきかと存じます。(追記(2007-5-8): 『はてな情報削除ガイドライン』にて『迷惑行為 (第一項略) ブックマークのエントリーページの概要欄について、ブックマークされているページの管理者より正当な理由をもって削除申請があった場合には、当該概要欄の削除を行う』とのフォローがあります。d:id:Yuichirouさん、ご教授ありがとうございました。)


 『第9条(免責事項)』については、“重大な過失”が有る場合の責任を認めてらっしゃいますので、特に文言の変更は不要かと存じます。

(株)はてなの財産権

 上記の考えは、全てsasadaの勝手な解釈からなっています。これが正統な考え方で御賛同いただける場合、“解釈”ではなく“明文化された規約”にするべきです。
 たとえば、『第8条(当社の財産権)』の第三項を『ユーザーは、はてなダイアリーおよびはてなグループにおいて自己が作成した日記の内容と、有料オプションを利用しているはてなグループのキーワード【・掲示板・あしか等のコンテンツ】の内容、および、はてなフォトライフにおいて自己が送信した画像 【および、はてなブックマークにおいて自己が追加・編集した内容】 について、著作権を有するものとします。』とするだけで、話が通ります。
 是非、ご検討ください。m(_ _)m

若干、別件ですが

 「はてなブックマーク」も「はてなRSS」も目出度く正式リリースしたことですし、『第6条(禁止事項)』に

  • ユーザーは、本サービスの「はてなRSS」を利用するに際し、以下のような行為を行ってはなりません。
    1. タイトルやフォルダ名に意図的に不適切な内容を設定する行為
    2. チェック対象RSS管理者および関係者に対する嫌がらせを目的として、RSSを登録する行為

とか

  • ユーザーは、本サービスの「はてなブックマーク」を利用するに際し、以下のような行為を行ってはなりません。
    1. チェック対象ウェブページ管理者および関係者に対する嫌がらせを目的として、URIやタグ、コメントを登録・編集する行為
    2. 引用の範囲を越えてエントリーページを編集する行為

とか、追加しては如何なものでしょうか。


 問題解決の決定打にはなりませんが、指針にはなります。
 こういう部分から、ユーザーに分かりやすい環境を作って行って頂ければ、大変嬉しいです。(^^)


 誰にトラックバックしようか迷いましたけど、はてブ関係が多いので、d:id:naoya様へ。お忙しい方なのに、ごめんなさい。m(_ _)m

追記(2007-5-8)

 『はてな利用規約 第5条:ユーザーの責任』には、ソーシャルな(共同編集した/協働で他人の法益を貶めた)情報の責任分担が書かれてませんね。
 sasada案の『【はてなブックマークにおいて自己が追加・編集した内容】 について、著作権を有するものとします。』という著作権の明確化では、『協働で付加価値を高めた場合、その財産権は個々人に属する』ことを述べてます。
 が、その文責も個々人に属するとは述べてないので不完全でした。そもそも、文責総てを個々人に帰して良いわけでもなさそうです。(sasada的考えでは)


 やはり、『はてな利用規約 第5条:ユーザーの責任』に、ソーシャルな(共同編集した/協働で他人の法益を貶めた)情報の責任分担を追記するべきかも。
 第二項を『本サービス上においてユーザーが開示した、質問及び回答、掲示板への発言等全ての情報に関する責任は、ユーザー各自にあります。従って、当社はユーザーが本サービスにおいて開示した質問や回答、掲示板への発言等の内容について、一切の責任を負いません。ただし、ユーザー各自が協働した結果、自動的に作成された情報に関する責任は当該ユーザーならびに当社の共同責任とします』くらい?
 ・・・なんかビミョーでは有ります。

追記2 (2007-5-8)

 d:id:Yuichirouさん、ご教授ありがとうございました。m(_ _)m
 『はてな情報削除ガイドライン』については、規約と同時に述べるとややこしくなるのでスルーしていましたが、ご指摘いただいて大変助かりました。


 自分の考えを整理する役に立ちましたし、『ブックマークのエントリーページの概要欄について、ブックマークされているページの管理者より正当な理由をもって削除申請があった場合には、当該概要欄の削除を行う』という文言の存在を初めて知りました。不勉強で恥ずかしいです。
 脊髄反射的な長文レスに引いてしまわれたかもしれませんが、反省してますので、今後ともお付き合いいただけると大変嬉しいです。m(_ _)m

*1:あ、ここで逃げないで!!