読了「狩野俊介の記念日」

 推理小説(?)「狩野俊介の記念日 (トクマ・ノベルズ)」を読了しました。

 狩野俊介シリーズは探偵物の本格推理との位置づけですが、どちらかというと、謎解きよりも、少年探偵である俊介君を囲む人々の“ほのぼのとしたアットホーム”な雰囲気がウリだと思います。


 この作品でも、謎解きよりは、俊介少年のクリスマスや誕生日といった記念日での心温まる交流に重点が置かれた構成です。そういう意味では、ファンの年齢層は、きっと高いでしょうねー。


 この本は短編集ですし、まあ前作までを読んで無くても何とかついていける構成です。
 謎解きとか本格推理合戦とかを期待すると肩透かしをくらいますが、その代わりに、単純な「めでたしめでたし」が信じられない大人の為の「ちいさな幸せ」を堪能できるのではないかと思います。


 シリーズ14巻にして、俊介少年登場からやっと一年経ちました。(作中時間)
 その間に現実の時間は十三年ほど経っているそうです。
 マリみてですら作中時間で一年経つのに19巻で6年がかりでしたから、本当にカタツムリみたいな作品です(^^;


 次巻の発表も気長に待ちたいと思います。