?Bのタグとコメント

 前日分の日記が長くなったので、5月7日に書いてます。ちょっとだけ未来日記です。(^^;


 naoya副社長のダイアリーで「はてなブックマークとTagging - naoyaのはてなダイアリー」を拝見しました。*1
 このセクションでは、上記の記事を受けて、?Bでのタグ付けについてsasadaなりに考えたことを掲載しています。
 なお、結論は (追記を除く)一番最後です。(^^;

前フリ

 上記の記事によりますと、はてなブックマークでタグが未だ実装されない理由は、

  1. コメント(一覧)機能が?Bのアドバンテージである
    1. はてなブックマークの一番良い所は、エントリーページでブックマーカーのコメントを一覧できること
    2. コメントにより、自分がブックマークしたページに、他の人はどんな反応を示しているのかを俯瞰できる
  2. タグとコメントは類似の機能を持っている
    1. タグ付けとコメント投稿は、「そのページに書かれていることを要約する」という非常に似通った作業ではないか
    2. 文章、文脈で感情を表現するという意味合いにおいては、タグの表現力がコメントのそれを上回ることはなさそう
  3. タグとコメントの両立は困難である
    1. 「両方実装すればいい」とも思うが、「ブックマークする」という行為の流れを阻害しないよう、極力シンプルにする必要を感じている
    2. コメント欄、タグ欄が両方備わったインタフェースで、その両方を毎回入力するのはなかなか面倒
    3. ゆえに、タグによって分類による共有を促すことと、コメントによる感想の共有をすることは、両立できそうでなかなか難しい

という過程で導かれたもののようです。(最終結論ではなさそうです)


 なるほど、こうやって順序だてて説明していただくと、問題点が良く判ります。naoya副社長に感謝です。(^^)
 その上で、コメント一覧を提案した上に(キーワードによる)タグ付けを要望している、贅沢なユーザー sasadaの見解を以下に書いておきます。やはり書かないと伝わらないでしょうし。(^^;

言いたいこと

 sasada的には、コメントとタグは異なる役割を持っていると思います。
 また、コメント投稿とタグ付けを同時に行うことの困難さ(と、使い分けのあいまいさ)は、タグ付けのタイミングをずらし、「見かけ」を工夫することで解決可能だと考えます。

コメントとタグの違い

 ?Bのコメントは、あるURLに対して個々のユーザーがどのような判断をしているかを入力する場として機能しています。或いは覚え書きとか。*2
 当然ながら、一つのURLに対して、一人一人が異なる情報を書き込むことに、その意義と面白さが有ります。
 構図としては、[ URL (1 : N) コメント ]の関係ですね。


 これに対して、タグ付けは[ タグ (1 : N) URL ]の関係を持ちます。
 複数のURLに対して、共通のタグを付けてグルーピングすることに意義や意味があるわけです。
 意思表示の方向が正反対ですよね。


 全体の関係としては[ タグ (1 : N) URL (1 : M) コメント ]です。
 タグの存在意義は『或るタグ(の、可能なら集合演算結果)にどんなURLが有るか』を俯瞰することであって、コメントの存在意義である『或るURLに対して個々のユーザーがどのような反応をしているか』の俯瞰とは大きく役割が異なります。


 以上の理由で、「タグとコメントは、その主な役割は異なっている」と私は考えています。
 その上で、

  1. タグ機能は?Bに必要か
  2. ユーザーにタグ付けとコメント投稿の違いを使い分けてもらえるのか

について更なる考察が必要かと愚考します。

タグ機能の必要性

 users表示やコメント一覧は、一旦URL(?B的にはエントリー)を特定してしまえば、当該エントリーを閲覧する役に立ちます。非常に興味深く有用な機能です(^^)
 では、そのエントリーを個々のユーザーはどうやって見つけているのでしょう。


 いまでは「usersの多いエントリー」「全体の新着」「カリスマブックマーカー(お気に入り)の新着」という優良機能が充実してきましたので、これらが活用されているものと思われます。
 その反面、古くても価値のあるブックマークをサルベージする機能に乏しく*3、エントリーが陳腐化する問題は手付かずです。また、同じ内容(もしくは類似のテーマ)を扱う複数のURLを収集して俯瞰する機能にも欠けます。


 つまり、?Bの弱点は、「興味の有るURL(エントリー)にたどり着くまでの機能」ではないでしょうか。
 タグ付け機能は、これらの欠点を補完する為の検索機能であり、?Bにとって有用な拡張・機能強化だと思います。

タグとコメントの住み分け

 次に、どうやってタグ付けとコメント投稿をユーザーに使い分けてもらうかを考えないといけません。
 両者の役割分担をスッキリさせること、ユーザーの登録作業の負担にならないこと、が重要です。


 私はキーワードによるタグ付けを重点的に考えてきましたので、今までここで煮詰まってました。
 sasadaボツ案では、エントリー登録時に、URLから自動抽出されたキーワード十個程度+オリジナルキーワード(ユーザー入力)数個程度の中から、チェックボックスで複数選択してもらうことを考えていました。
 もう少しキーワード抽出の精度が上がってくれば十分使い物になるかと思いまして。ただ、エントリー登録の際に、(1)タイトル入力 (2)コメント入力で入力文字数と格闘した上に、(3)タグキーワード選択(場合によっては作成) というのは、(ユーザーにとってもシステムにとっても) 負担が大きすぎるかもなぁ。と思い、ペンディング中でした。


 でも、はてなアイデアを流し読みしてるときに「はてなアイデア」を見つけまして。これかー!! と膝を叩いた次第です。


 ここでいうフォルダーって、本質的にタグなんですよね。
 あるフォルダーに複数のエントリーを登録して、集合として取り扱う機能ですから。
 あるエントリーを複数のフォルダーに登録できるようにすれば、(カテゴリーではなく) 立派なタグです。(ちょっとややこしいですね。すみません)


 上記のアイデアは個人用フォルダーの要望ですが、これを共有フォルダーと読み換えれば、可能性が一気に広がります。
 この機能ならコメント機能とタグ機能の差を(ほぼ)絶対に取り違えません。また、エントリー登録時にフォルダー登録せず、後から編集(整理)するスタイルを主にすれば、エントリー登録のシンプルさも損ねません。
 また、モノがフォルダーですので、タグとして意味のある集合になることが(ある程度)期待できます。
 これ、アイデアポイントが残ってたら、共有フォルダーの可能性をコメントする形で、ゼヒ大量ベットしたいアイデアでした。もうMAXになってるので、どっちみちベットできませんが。(^^;


 フォルダー方式の欠点は、キーワードツリーのときと変わりません。公的なコンテナ(入れ物)の保守をユーザーに任したときに、(フォルダーに入れる入れない等の解釈で)収拾が付かなくなるリスクです。
 タグ機能はカテゴリーと違い単一継承モデルではありませんので、喧嘩別れは有っても泥沼化はしにくいのですが、アイドル関係のタグ(フォルダー)等、個々のユーザーの思い入れが強い分野では油断できません(^^; 過去に学んで検討しておく必要はあると思います。


 ともあれ、公的意味合いを強調したいならキーワードタグで、ユーザーインターフェースを優先するならフォルダー機能で、?Bに無理なくタグ機能を導入できるのではないかと愚考する次第です。*4

結論

 長々と書いてきたことを、以下にまとめます。

  1. タグは複数URLを関係付ける機能であり、単一URLに対する反応をサポートするコメント機能とは役割が異なるものである。
    [ タグ (1 : N) URL (1 : M) コメント ]
  2. タグ(検索)機能は、興味のあるURL(エントリー)へたどり着くための機能であり、?Bの弱点(新着と人気エントリー以外の閲覧難)を補間するために必要な機能である。
  3. はてなアイデアにある「フォルダー機能」を (共有フォルダーとして)採用すれば、ユーザーの混乱を避け、エントリー時の手間も増やさずにタグ機能を実現できる。コメントとの住み分けも可能である。

 以上です。お疲れ様でしたー。m(_ _)m *5

追記

 関連情報として。
 facetさんが、d:id:facet:20050508:1115511590にて はてなブックマークのタグ付けに関するアイデアを掲載されています。
 素晴らしい案です。力作です(^^)
 私の日記をご覧の方は既にチェック済みかとは存じますが、念のためにご紹介させていただきます。f(^^)

*1:余談ですけど、画像タイトル『Hatena::Diary::naoya』と文字タイトル『naoyaのはてなダイアリー』は合わせた方がいいのでわ。

*2:コメントの特殊例としてはタグ代わりの検索キー入力とか。

*3:タイミング的には、誰かが新規登録したときのみ、陳腐化したエントリーを再発見可能。それも、トップページの新着情報と登録したユーザーのブックマーク、関連のお気に入りでしかキャッチできませんよね。(あとはキーワード検索ですけど、現状では精度がぁ^^;) 

*4:負荷や実装など、システム的な考察はパスしておきます。現段階では。

*5:これだけ書いても、アイデアポイントとは無関係だよぉー(笑)
いやいや、そうじゃないですね。ポイント破産してても書けるんだから喜ばないと(^^;